『ちっこ房だより』~エコ・スタイルな〈住まいのくふう〉と〈シンプル木工〉のすすめ~

〈気もちいい暮らし〉のあれこれ話し…〈自己満足〉な空間づくりめざして…ひと任せじゃない、マイ・チャレンジの…〈木づくり人〉からのメッセージ集です。

ぼくの〈エコ・スタイル〉な住まいのくふう / 〈第2期〉リンビング床暖房…後のリフォーム   ⑦ワークルーム-其の参・押し入れ(旧)-

-No.0011-
★2020年07月29日(水曜日)

 

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★和風「押し入れ」を洋風「クローゼット」に

  元は和室だった部屋を、洋室のワークルームに手造り。

 旧リフォームは、07年晩秋から冬にかけての季節でした。

 畳の床をフロ-リングに…も大仕事(7月16日、既報)でした、けれど。

 東壁に付属して造り付けられてあった押し入れを、クローゼットに造り変えたのも、やり甲斐がありました。

 旧リフォームは、なにしろ「徹底的に木づくり」がコンセプトでしたから。

 押し入れの空間処理にも、意欲的に取り組んだわけです。

 

 「押し入れ」の名のとおり、わずか半坪の小宇宙は、しかし、ざんねんながら、かならずしも活かして用いられてはいません。

 うっかりすると〈室内物置〉、にされていたりします。

  

 頻繁な人の動線からは外れた押し入れ空間は、床も、中段の仕切り板も、さらにはその上、天袋との間の仕切りも、壁周りも、すべて、薄っぺらなベニヤ板でしかありません…が。

 悪戯な子どもの頃、ここに閉じ込められた経験をもつ人でもないかぎり、男性でこの事実を知る人は少ないでしょう。


 そういう事情がありましたから、この不遇な半坪空間の蘇生を目指して、ぼくは中段・仕切り板の撤去を手始めに、リフォ-ムにとりかかりました。

 こういう場合に、もっとも注意しなければならないことは、柱や梁のような家の骨組み、構造材を損なわないこと。

 ですが幸い、押し入れの中段は付属物ですから、影響はありません。

 旧材料をすべて撤去のうえ、押し入れの天井にあたる天袋との仕切りから、順に下へと床板まで、リフォームしていきました。

 材料は、すべて12mm厚の杉板・内装材、室内壁に使われる本実(はぎ合わせ)加工品。ご覧のとおり、木の香もさわやかな良質で贅沢な空間に生まれ変わり、湿気によるカビの心配も、一切なくなりました。

 なにしろ狭い空間での仕事ですから、それなりにホネは折れましたが…。

 

 その後、中間に30mm厚の杉板でタテ仕切りを造り、右半分をシャツなど丈の短いもの用、左半分をコートなど丈の長いもの用に。

 ハンガー掛けは、直径20mmの桧の丸棒、これはホームセンターで買ったもの。1間(厄1.8㍍)と長いので、間のタテ仕切りにも穴を空け、補強を兼ねて中を通してあります。丸棒を支えるウケも端材で手づくり。

 右壁の下の方に見えるコンセントは、隣りの仏壇灯用。ついでプレートも新品に取り換え、おかげで電気の配線も覚えることができました。

 

 なお、「押し入れ」から「クローゼット」にリフォームされた空間ですが、部屋との仕切りは、襖のまま。ですが…違和感はありません。

 ちなみに襖紙も、新装に相応しく極上の無地和紙に貼り替えておきました。仕立ては、中間に太い横帯の入る和洋折衷ふう、です。

 

 このクローゼットは、内部の配置に若干の変更はあったものの、2度目の新規リフォームでも変更なしで、すんでいます。

 



 

 

 

 

 

ぼくの〈エコ・スタイル〉な住まいのくふう / 〈第2期〉リンビング床暖房…後のリフォーム⑤ワークルーム-其の壱・床-

-No.0010-
★2020年07月16日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3416日
★延期…オリンピック東京まで → 373日
★旧暦5月26日
(月齢24.7、月出00:47、月没14:49)

 

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★畳の和室を洋室に★

 現在、ワーク・ルームになっている部屋の、元は和室。

 広さは、東側の押し入れ+仏壇+床の間スペースも加えて、16.56㎡(5坪)。

 実用床面積の12.11㎡(3.6坪)を、洋室仕様のフローリングに衣替え。

 旧リフォームは、2007年10~12月。

 元状では、西隣のリビング・ルームとの間に63mm(畳の厚さ)の段差がありました。

 

 バリアフリーの〈段差解消〉も考慮はしました…が、大ごとになる処置が煩雑にすぎるのでヤメ。もうひとつには、危険なのはむしろ〈微妙な段差〉の方で、はっきりした段差には注意できる…という事情もありました。

 

★床下にゼオライト、2層63mm厚のフローリング床★

 畳は外して、一部はサイズ調整して2階和室に転用、他は市指定の粗大ごみ処分。

 元状の荒床は、12mm厚の合板張り。その1/3(1坪)ほどを剥がし(上掲写真=上・左、※見えているのは木の根太と鉄筋の土台)、捨てコン打ちの床下には湿気防止のゼオライト(白色細粒)を敷いて、12mm厚の桧板(生節1等)張り(上掲写真=上・右)。

 仕上げは、下敷桟/21mm厚×105mm幅の桧板を300mm間隔で東西に9列。上張り/42mm厚×135mm幅の杉・本実板・フローリングを南北方向に計52枚(下掲写真4点)。 

 

★床の厚みがもたらす温もりと柔らかさ ★

 以上のとおり、畳に代わる無垢板フローリング63mm厚の効果はバツグン。

なんともいえない、ほんのり温もり感と室内空気の柔らかさ、くわえて床下の調湿ゼオライト敷もあって、わが家でいちばん健やかな部屋になりました。 

 

 なお、この床板張りで威力を発揮したのが、卓上丸鋸(上掲写真=下・右)。

とくに42mmもの厚板になると、手道具では骨が折れてどうにもなりませんし。フローリング釘の穴あけ電動ドリル(上掲写真=下・左)とともに、いい働きをしてくれました。

 必要な道具の助けを借りれば、手づくり作業も楽になります。 

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ぼくの〈エコ・スタイル〉な住まいのくふう /  きょうはお休みいただきます…次回掲載は7月16日(木)

-No.…………
★2020年07月09日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3409日
★延期…オリンピック東京まで → 380日
★旧暦5月19日
(月齢17.9、月出22:01、月没08:11)

ぼくの〈エコ・スタイル〉な住まいのくふう / 〈第2期〉リンビング床暖房…後のリフォーム-➃リビング新装(南東壁-テレビ台収納)

-No.0009-
★2020年07月02日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3402日
★延期…オリンピック東京まで → 387日
★旧暦5月12日
(月齢10.9、月出16:03、月没01:44)

 

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★リビング南東コーナーのくふう

 前回6月18日までにお伝えした、南西コーナーの新規リフォームにつづいて南東コーナーの手づくり仕事。

 上掲写真、上・右が旧南西コーナーで、大きな天板の机がテレビ置き台になっていました。上・左は旧南東コーナーで、こちらはマルチ収納家具に占拠されていたかたち。

 写真、下左が撤去後。

 マルチ収納家具は幅が東壁面幅の倍くらいあったので、なくなって見るとずいぶんスッキリ痩せて見えます。

 

 新規リフォームでは、旧南西コーナーにあったテレビ・スクリーンを南東コーナーに引っ越し。その置台を兼ねた収納を造作しました。

 

 家というものは、壁面が丸くできていないかぎり、かならず角ができます。

 ふつうにできる角(コーナー=たとえば写真の下左のような)が「いりすみ(入隅・入角)」と呼ばれるもので、内側から見て角が出っ張っているときは「ですみ(出角・出隅)」といいます。

 

 いずれにしても、住まいの場面でヤッカイなのが「角」空間の生かし方で、うっかりすると「スペースの無駄づかい」になりかねません(どなたも、よ~くご承知のとおり…)。

 

 リビングの南東コーナー。

 壁面は、南側が幅940mm、嵌め込みのガラス窓になっています。

 東側は、930mmの板壁、その左にアコーディオン・カーテンが見えているのは、隣室ワーク・ルームとの間仕切り、引き違いの襖(旧くは和室であった)を撤去した、あと処理だからです。

 

 ★テレビ・スクリーンをどう置くか?

 これも、なかなか悩ましい課題。
 むかし、テレビが家庭のステータスだった時代には、テレビは家族が集まるリビングの中心、たいがいサイド・ボードの上に鎮座していて。しかも、ご丁寧に扉付きの家具仕立てなんぞになっており、気楽に見られるようなものではなく、〈拝見する仕掛けになっていました。

 いまはグッと身近になりましたが、そのかわりに画面がブラウン管から液晶パネルへと進化してデカくなり。おかげで映画館なみの鑑賞ができるようになりました…けれども、その分スペースの確保がたいへんになった、というわけです。

 

 さて

 テレビの液晶スクリーンは935mm×585mm。映像の世代を生きたぼくの生活では、これより小さな画面は考えられないし。

 リビングの中央に置くテーブルが、日常のメイン舞台となれば、テレビ設置は三角コーナーの底辺を利用するしかありません。

 

 やはり、「入隅」の使い方が悩ましいことになったわけです…が。

 まずは、決まった装置結果をご覧いただきましょう。

 

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 ★新しいテレビ台を手づくり

 ➀テレビ台(二段収納棚)

 寸法/幅840mm×奥行350mm×高さ792mm

 (棚は、下が高さ380mm、上が340mm)

 ※材料/パイン(米マツ)集成材、厚さ18mm

  背板(上記寸法外)/厚さ9mm×838mm×790mm

 

➁抽斗(6段)収納台

 寸法/間口340mm×奥行450mm×高さ603mm

 ※材料/枠組みが桧集成材造り、材厚24mm

  抽斗サイズ(A4判対応・内寸/幅258mm×奥行350mm×深さ70mm)、抽斗数7段

 ※なお、「抽斗収納の手づくり」については、別の機会に詳しく紹介します。

➂上置台

 寸法/間口450mm×奥行340mm×高さ189mm(台と合わせて792mm=➀テレビ台と同)

 ※材料/パイン集成材、厚さ18mm

 

 この➀と➁+③をコーナーの2辺に置いて、その上にテレビ・スクリーンを置くつもり。

 けれども、現実場面では、製作するときの計画と、実際に設置するときとでは、事情のかわることが少なくありません。

 

 こんどのリビング南東コーナーのリフォームでも、計画と実際の設置場面(写真)では、左右の台の置き方が逆になりました。

 

 

ぼくの〈エコ・スタイル〉な住まいのくふう /  きょうはお休みいただきます…次回掲載は7月2日(木)

-No.....-
★2020年06月25日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3395日
★延期…オリンピック東京まで → 394日
★旧暦5月5日
(月齢3.9、月出08:06、月没22:18)

ぼくの〈エコ・スタイル〉な住まいのくふう / 〈第2期〉リンビング床暖房…後のリフォーム-  ③リビング新装(南西壁面-其の弐-)

-No.0008-
★2020年06月18日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3388日
★延期…オリンピック東京まで → 401日
★旧暦4月27日
(月齢26.4、月出02:17、月没16:02)

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★家具サイズと〈身の丈〉

 前回につづいて

 リビング南西コーナーのリフォーム。

 ぼくのパソコン・デスク。

 

 サイズを紹介すると。

両袖収納付き脚台幅340mm×奥行457mm×高さ555mm

 ※A4対応の抽斗3段にプラス自在収納(自作)

天板厚さ80mm×長さ1460mm×736~765mm(イチイ天然木一枚板)

 ※旧ワークルームで使用していたものを縮小カット(自作)

 ※椅子スペースは700mmを確保。

 

 天板上の書棚ニ段構え(前回6月4日記事No.0007を参照)

上棚の支えを兼ねた下段は、左右に1つづつ。

 幅335mm×奥行200mm×高さ655mm(高さ300mmの棚2段、小さい書籍など用)

上棚は通しで1段幅140mm×奥行300mm×高さ390mm(大きい書籍およびファイル用(棚上の空間も利用して収納量2倍)

 ※いずれも壁板に、背板をネジで直付け。

 ※下段の棚間、デスクトップ・パソコンの奥は、CDケースなどの収納棚

 ※以上、すべて手づくり。

 ※デスク上の棚は高さ計1045mm、床から上棚までのデスク全高は1680mm。圧迫感もなく、すべてが軽く手の届く範囲に納まった。

 

★新しくサイズ設定し直したもの

 「机(テーブルも同じ)」と「椅子」の高さを、見直し。

 〇机=65cm 〇椅子(座面)=38.5cm

 

 あなたも、いちど測ってみてください。

 あなたの机と椅子は、10cmくらいは高いはず。

 

 じつは、ぼくも、そうだった。

 家具屋で買ったサイズに、なんのフシギもなく慣れ、自作するときにも、このサイズを踏襲してきた。

 

 そいつを、ちょいと、ゼロから見なおし。

 ヒントになる情報を提供してくれたのは、新宿にある生活提案型「リビングデザインセンターOZON」インテリア担当の方(が新聞取材にこたえた記事)。

 

 それによると

➀日本の住宅の平均的な天井の高さは240~250cmで、世界的にも低い部類に入る。

➁そして、いまの若者は背が高くなったといっても、まだ、平均身長は欧米人より10cmくらい低い

➂プラス、室内では靴を脱いですごす生活習慣のちがいもあるのだから。日本の小ぶりな住まいに、欧米型の家具は無理がある。とくに椅子やテーブルは、日本人の身の丈にあったサイズにすべきではないか。

 

 そこで

 専門デザイナーによって提唱されたベスト・サイズ(高さ)というのが。

〇テーブル(机)=61cm 〇椅子37cm前後(座面は広い方がいい)

 

 上記したとおり、一般に普及しているサイズより、ぼくの場合も10cmくらい低くなった。

 椅子の高さの「前後」という幅は、体格・体型の個人差を考慮している。

 

 2度目のリフォームにあたって、ぼくはこの提唱にチャレンジしてみたわけだ。

 いまある椅子・机の高さに無理はないか(⇒あった)、ならば新しくする高さをもとめる基準はなにか。

➀椅子は、座って膝が気もちよいか(足の裏まで安定するか)

➁机は、両肘をついたときに気もちよいか(肩は凝らないか)。

 

 なんどか測り、確認を繰り返して(これでヨシ)となったサイズが、上記のとおり。

 推奨サイズより、椅子・机いずれも、やや高い。が、無理はない。

 

 気がついたこと(ちなみに、ぼくの身長は171cm)。

 椅子は、座った膝に楽に本を開ける(以前は抑えていないと膝から本が滑り落ちる…ムリがあったことになる)。

 机がやや高いのは、ぼくが胴長のせいかもしれない、が。もうひとつには、天然木一枚板の天板が8cmと分厚い(したがって椅子に座った膝との兼ね合いが必要になった)こともある。

 もうひとつ

 わずか10cmほど…にもかかわらず、天井が高くなったのがウレシかった。

  ……………

 

  なお、椅子やテーブルの脚が短くしたい場合に、切断をどうするか?

 スチール製だったら話は別、だけれど。

 木製なら、寸法どおりキレイに切れる、便利なサポート道具があるので、紹介しておきたい。

 

 下の写真は、「Z ソーガイド鋸セット」。

 専用のノコギリをガイドにセットして使う。

 事前に少し練習してから、本番のカットにチャレンジ!

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ぼくの〈エコ・スタイル〉な住まいのくふう / きょうはお休みいただきます…次回掲載は18日(木)

-No.0008-
★2020年06月11日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3381日
★延期…オリンピック東京まで → 408日
★旧暦4月20日
(月齢19.4、月出23:31、月没09:25)